釣り竿のグリップの延長加工とグリップの交換方法&コルク抜け・汚れたコルクグリップの補修方法をご紹介します。
自分でロッドグリップを交換したい、延長加工をしたいという方の参考になれば幸いです。
また、コルクグリップの補修についても触れています。他の竿も加工予定なので工程やパーツの備忘録として綴っておきます。
今回、加工するロッドはこちら
- 1. シマノ スコーピオン シャウラ 2621FF
- 2. 完成後の画像がこちら
- 3. グリップ内部のブランク外径の測定準備
- 4. ブランクの外径を測定
- 5. 延長パイプ(カーボンパイプ)とグリップの発注
- 6. カーボンパイプとブランクの仮合わせ
- 7. カーボンパイプをカットする
- 8. テサテープをブランクに巻き付ける
- 9. エポキシ接着剤で固定します。
- 10. 新たなブランクにグリップを取り付ける下準備
- 11. カーボンパイプとコルクグリップの接着
- 12. やってしまいました・・
- 13. コルク移植作戦の始まりです。
- 14. グリップエンド側の処理
- 15. グリップ全体のクリーンアップ
- 16. ひび割れ箇所をコルクパテで修正
- 17. ブランクにスレッドを巻きつける
- 18. コルクの形状を整形
- 19. 完成!
- 20. コルク抜け・汚れたコルクグリップの修復方法
シマノ スコーピオン シャウラ 2621FF
著者が15年以上前から愛用しているバスロッドです。
最近は海でのライトルアーゲームで使用しています。
グリップの長さは150mm で、シャクったりロングキャストをする時に、少し短いと感じていました。
また、グリップエンド付近のコルクが割れています。
これが↓↓下の画像の様↓↓になるまでの工程を綴っていきます。
完成後の画像がこちら
グリップは 約280mmとなり、肘で固定したり両手キャストが出来る様になり使いやすくなりました。
では、早速工程をご紹介していきます。
グリップ内部のブランク外径の測定準備
コルクグリップを剥がします
コルクを剥がして見ないと判りませんので、早速カッターナイフで切れ目を入れていきます。
切れ目を入れた真ん中の部分を、プライヤーなどで引きちぎる様に剥がしました。
ブランクに残っている接着剤を剥がします
カッターナイフで削るように剥がしていきます。
全て剥がしても良いのですが、この段階では、後に使うカーボンパイプとコルクグリップを発注していないので、届くまでに釣りのお誘いがあると困るので・・
ある程度綺麗に剥がしてみました
ブランクの外径を測定
ノギスを使って測定します。
8.2mm でした。
最終的に、サンドペーパーでブランク全体を擦って凹凸を無くします。
延長パイプ(カーボンパイプ)とグリップの発注
グリップ部分のブランクの外径が判りました。
心配な方は、内径10mmの物を用意すると間違いありません。
今回使用したカーボンパイプ
ジャストエース CP40-11
- 長さ:400mm
- 外径:約11mm
- 内径:9mm
- 定価:1,400円(税別)
今回使用したグリップ
ジャストエース TRG27-25C15
- 長さ:250mm
- 外径:27mm
- 内径:15mm
- 定価:2,400円(税別)
カーボンパイプとブランクの仮合わせ
上記商品の到着日程が分かったので、事前にロッドのグリップを完全に取り除いてあります。
参考:ブランクの下処理動画
リールシート部分にカーボンパイプが入っているのが分かります。
カーボンパイプの仮合わせ
ブランクに延長用のカーボンパイプを差した状態です。
この状態でさらにコルクグリップを仮組みしてみます。
コルクグリップの仮合わせ
この時は、この状態が完成予定でした・・(過去形w)
カーボンパイプの切断位置に印を付けます。
マジックでジャストの位置をマーキングしました。
→ 後の工程で少し短くなります。(2㎜程度)
カーボンパイプをカットする
電動工具でカットしたので、工具を紹介します。
ミニルーターを実家に忘れてきたので、手元にある小型電動ドライバーを使用しました。(ハンドノコ・糸ノコでもOK)
ドリルチャックを利用して、ダイヤモンドミニカッターと接続しました。
工具の全体図(装着図)
カットします
パイプを回しながら刃を当てていきます。
保護メガネがあれば、使用して下さい。
滑らない手袋が有ればより安全です。(軍手は巻き込まれる危険があります。回転系の工具を使用する際の基本になります)
カット後
多少のずれが出る事があるので、上部の面で慣らしていきます。
カット面を垂直に当てると、綺麗な断面に仕上がります。
この工程で-1~2㎜の長さになります。
これでカーボンパイプの準備ができました。
テサテープをブランクに巻き付ける
テサテープ(スペーサーテープ)をブランクに巻きつけ、カーボンパイプがきっちりはまる様に厚みを調整します。
※カーボンパイプがスコスコではなく、適度にしっかり固定されるイメージで・・
エポキシ接着剤で固定します。
ボンド クイック5 をそれぞれ同量出して準備します。(混ぜ合わせると5分で硬化が始まります)
塗る部分は、凹み(段差)を埋めるイメージでカーボンパイプをねじりながら左右にも動かしながら隅々まで行き渡る様に・・
★混ぜる時間も入れて、5分以内に最終形まで持っていきます。
接着後の画像
はみ出た接着剤は、すぐにティッシュ等で拭き取ります。
これで、グリップ延長の下準備が完成です。
参考動画:ブランクとカーボンパイプの接着
新たなブランクにグリップを取り付ける下準備
新たなブランク(カーボンパイプ)にテサテープを巻いて調整
厚みを出す方法は色々あります。
- タコ糸(純綿水糸)を巻く
- テサテープを巻く
- アーバーをはめる
タコ糸も用意しましたが、グリップ部分のパイプと後付のカーボンパイプの段差も有るので、先程と同様にテサテープで調整しました。
同様にリールシート側から巻いていきます。今回は、テーパー状ではないので、何周巻けば良い高さになるかを覚えておく事で時短が可能です。もちろん一回ずつ確認すると完璧です。
仮組み状態
グリップエンド側から
良い感じに中心に来ています。
いよいよ接着に入ります。
カーボンパイプとコルクグリップの接着
少し多めにエポキシ接着剤を作ります。
↓↓↓↓↓の位置にたっぷり塗っていきます。
コルクグリップを捻じりながら、何度も抜き差しして接着剤を段差に行き渡る様に・・
こちらも最終形まで5分以内に仕上げないといけません・・
参考動画:リアグリップの取り付け
やってしまいました・・
あとわずか・・という所で一気に硬化が始まり途中で完全に動かせなくなりました・・
\(^o^)/オワター
_| ̄|○
と凹んでても仕方ないので、リールを付けみてどうするかを考えてます。。
これしかない!
コルク移植作戦の始まりです。
①リールシート側に必要なコルクの長さを計測。
②グリップエンド側のコルクのカット位置にマスキング。
③カッターナイフで回すようにカット。
④切断面をサンドペーパー(800番程度)で綺麗に処理します。
⑤カットしたコルクにカッターナイフで切れ目を入れます。
コルクの取り付けイメージ
移植成功!
切れ目が目立たない様、下向きになるようにしました。

グリップエンド側の処理
空洞の部分を余ったカーボンパイプで埋める作業をします。
深さの計測
ノギスを使ってカーボンパイプまでの距離(深さ)を計測。(23.5mmでした)
余ったカーボンパイプを22mmでカット
カット位置にマスキングテープを巻いてカットします。
カット完了。
テサテープでかさ上げ
グリップにピッタリはまるようにかさ上げをします。
グリップに仮組み
奥まで入れると摩擦で抜けなくなるので手前で確認。
エンドキャップと同時にエポキシボンドで接着
はみ出た接着剤を、エポキシ用の薄め液(JUS-100)をつけたティッシュで拭き取りながら慎重に固定します。
ある程度固まるまで手で抑え、硬化が始まったらマスキングテープで ×(バツ)の字に固定します。
グリップ全体のクリーンアップ
サンドペーパーで磨きます
新しいコルクとリールシート前部の古いコルクの色目の差があるのでこれを修正していきます。
コルク表面が本来の色になるまで、回しながら少しずつサンディングしていきます。
画像は擦った後に水拭きした状態になります。
ひび割れ箇所をコルクパテで修正
よく見るとひび割れやコルクの抜けがありますので、これを埋めていきます。
例の切り目部分(意外と綺麗になるかも)
コルクパテのご紹介
ジャストエース コルクパテ(CS-01)
- 内容量:25g
- メーカー希望小売価格:1,000円(税別)
ロッドを使い込むとコルクグリップの穴や隙間が目立ってきます。そこでこの補修用コルクパテをその穴や隙間に埋め込み、乾燥させサンドペーパーでサンディングするだけで新品の様に戻ります。
隙間を埋めるイメージで塗り込んでいきます。
水溶性のパテです。指で箇所ごとに塗り込んでいきます。
全体が白っぽく乾いたら1000番のサンドペーパーで磨きます。
ペーパーは少しでOK。優しく磨いていきます。
ウェットティッシュで粉の拭き上げ
今回はティッシュにアルコールスプレーを染み込ませて優しく拭き上げました。
コルクパテの効果
全体的に明るく綺麗になりました。
水溶性のパテなので、定期的に塗り込んであげると良いと思います。
ブランクにスレッドを巻きつける
↑上画像の黒い部分です。
このままではカッコ悪いのでガイドに使用したスレッドを巻くことにしました。
実は、ガイドの交換も行っていたので、同時にスレッドのコーティングを行いました。
使用したスレッド
日輪 カラーメタリックスレッド S レッド
コーティングすると綺麗に輝きます。ブルーもグリーンも綺麗です。
コルクの形状を整形
この部分の形状が不自然な気がするので整形することにしました。
傷がつかないようにマスキング
カッターナイフで少しずつ段差を削っていきます。(細かなコルクの破片が見えますね)
画像右側にあるサンドペーパー(ハンドサンダー)240番を当てながら、竿を「ろくろ」のイメージで回しひたすら擦りました・・
下側の部分にコーティング液が染み込んでいたので、それも擦って取り除きました。
再びコルクパテで修復
最後にウェットティッシュで拭き取って完成となりました。
完成!
コルク抜け・汚れたコルクグリップの修復方法
追記:現在の状態 2021.11.11
全く不具合無く快適に使えておりますが・・
補修後(After)
コルクパテ以外は、100均で揃います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。
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